こんにちは、表参道・青山にある歯科石上医院です。
今回のケースは歯並びの改善が主訴で来院された方です。
上顎側切歯が平均より小さく(矮小歯)さらに右側は余分に生えている(過剰歯)という複雑な状況でした。
模型上でシミュレーションをします。余分な右側の側切歯を抜歯し、矯正により歯をうごがしスペースを調整してベニア修復で歯の形態を改善すると審美的に改善できそうでした。
このように、補綴専門医である私が実際に手を動かして診断していきます。なぜなら、私が被せ物を装着する際に歯がどこにあると機能的にも審美的にも理想的か決めるからです。私が留学したアメリカでもそうでした。まず、補綴専門医が治療方針を決めてから、その計画に沿って他の分野の専門医と連携をとり治療を進めていました。都内でも専門医で構成したチーム診療をしているクリニックはまだまだ少ないと思います。是非、もっと普及して頂きたいものです。
私の希望をもとに、矯正医にも診断してもらいます。その結果、左側の側切歯にもスペースができることが判明しました。従って、矯正治療後に両側の側切歯にセラミックのベニア修復をして歯並びを改善する方針を提案させて頂きました。欲を言えば、中切歯もやり直して歯冠形態を修復するとよりスペースのコントロールができて、理想的な歯並びにすることがきますが、患者さんはそこまで望んでいませんでした。患者さんの主訴は小さい側切歯の並びを改善することでした。
矯正治療スタートです。4ヶ月くらいで動きました。もう少し動かしたかったんですが、患者さんの希望によりここから補綴治療に移行。
実際の模型上で最終的な被せ物の形態を共有します。右側犬歯の捻転をもう少し改善したかったですが、患者さんはこれで補綴を進めたいとのことでした。さあ、いよいよ最後の段階です。補綴です!
シリコンのジグを使いながら慎重に歯を削っていきます。セラミックベニア治療で大切なことはいかにエナメル質を残すかです!エナメル質は水分が少なく、レジンセメントを用いてセラミックと強固に接着できるからです。セラミックの機械的性質が向上し、欠点である脆さも克服できます。
セラミックベニアの装着後です。やはり中切歯もやり直して歯冠幅を大きくして、もう少し側切歯を小さめにするとより理想的だったと思いますが、患者さんは大満足して頂けました。
何かお困りなことがございましたら、是非、専門医で構成されたチーム診療を行なっている歯科石上医院にお問い合わせください。