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青山骨董通り近くの歯科 石上医院

ガミースマイル

ガミースマイルについて

ガミースマイル

ガミースマイルとは

ガミースマイルとは、笑った時に歯ぐきが見えすぎてしまっている状態のことを指します。
一般的に3mm以上歯茎が見える場合にガミースマイルと診断されます。(Oliveria, 2013)

女性に特に多く、まわりの人以上に本人がそのことを気にしていて、あまり歯ぐきが見えないように大きく笑わないように気をつけているという方も少なくありません。
原因はいくつかありますが、多くの場合歯科医院で改善することが可能です。

1:骨格が原因の場合

骨格的に前歯の位置が口元の中で通常よりも下の方や前の方にあることで、歯ぐきが見えやすくなってしまっているケースです。

これには骨格的な要因と歯並びの要因とが関係しています。

治療法

骨格的な原因が大きく影響している場合には、骨切除術が必要となるケースもあります。
骨切除術の場合は手術による侵襲も大きいため、治癒するまでは数ヶ月必要になりますが、大きく状態を改善できるのが利点です。
*骨切除手術に関しては当院では対応できませんので、他院の紹介となります。

2:唇が原因の場合

唇の長さが短い場合や笑った時に唇が上に上がりすぎることによって歯ぐきが露出するケースです。

治療法

唇の長さは平均で男性が22−24mm女性が20-22mmとされています。従って、これより短い場合はShort Upper Lipと診断できます。
この場合は唇を長くすることはできないため、行動変容療法が適応です。

また、唇の動きは平均6-8mmですので、この値より大きい場合はHyperactive Upper lipと診断されます。
この場合の治療法は、唇が上に上がりすぎないようにするためにいくつか治療法があります。

一つ目はは唇を上に持ち上げる筋肉の働きを和らげるためのボトックス注射です。
上唇挙筋という上唇を上に持ち上げる筋肉の動きを抑制することで、歯茎を見えにくくする治療法です。簡単でダメージも少なく短期間で効果の得られる方法ですが、効果は永久的ではなく、定期的に注射が必要となります。

二つ目の治療法は、歯ぐきが持ち上がりにくくするために上唇の裏側の粘膜を切除する方法です。
リップリポジショニング(上唇粘膜切除術)と言われる方法で上唇の裏側の粘膜を切除し短く縫い合わせることで、上唇が上に上がることを防ぎます。
これは永久的な方法で、後戻りすることもありま
せん。
手術の後、傷口が落ち着くまで2週間ほどかかり
ます。

最後になりますが、行動変容療法も適応です。

3:歯槽骨挺出が原因の場合

長期的に歯ぎしりをして歯の咬耗が起こった場合、歯が削れて短くなっていきます。そこで、通常私たちは噛み合わせの高さを補正するために歯を支えている骨(歯槽骨)が挺出する現象が起こります。これにより歯茎も一緒に落ちてきますので露出する範囲が大きくなりガミースマイルの原因となるわけです。

この場合の治療法は矯正による歯の圧下、クラウンレングスにング(歯冠延長術)が適応になります。

4:歯の萌出異常が原因な場合

これはAltered Passive Eruption(受動的萌出不全)と言われています。
つまり、歯が萌出する過程が正常に行われなかかったために、歯茎がまだ被ってしまっている状態です。
従って、完全に露出していないため歯は短く見えます。

この場合の治療法はクラウンレングスにング(歯冠延長術)が適応になります。

5:歯肉炎(歯肉増殖症)などが原因な場合

歯茎に溜まったプラークによって炎症が起こり歯茎が腫れたり、飲んでいるお薬の副作用で歯茎の異常な過形成がおこることがあります。

この場合の治療法は口腔衛生の徹底や服用している薬物の中止、状態によっては、外科的に歯肉を切除することがあります。

以上の様に、適切な診査のもと診断することにより治療方針もおのずと決められます。特に前歯部は笑った時に見えるところなので、慎重に進めなければなりません。

補綴専門医が理想的な歯の形態や大きさを考え、笑った時の見え方を考慮して歯肉の位置を決めると機能的にも審美的にも満足な結果になることでしょう。

ガミースマイルの
治療の流れについて

  1. カウンセリングまずはあなたの治療に関するお悩みや不安なことをお聞かせください。 カウンセリング
  2. 精密検査パノラマX線撮影、CT撮影、必要に応じて歯型を取ります。(印象、スキャン) 問診・検査
  3. 精密検査、診断・治療計画説明検査結果をもとに診査診断を行い、治療計画を説明します。
  4. 治療治療計画にご納得頂き、契約後治療を開始します。 治療
  5. メインテナンス治療終了後の経過を観察します。 メインテナンス・定期検診

ガミースマイルの治療症例

治療前後の様子

治療後の様子

治療終了。笑った時の歯茎が見えなくなりました。隙間も改善され患者さんは大満足されました。

治療詳細

患者さんの主訴は「笑った時に歯茎が見えるのを治したい。隙間もなんとかしたい」でした。
審査の結果、歯茎が見えてしまう原因は歯の萌出異常だとわかりました。歯が完全に萌出しておらず、歯茎に埋まっている状態です。歯の部分の根本(歯茎部)が歯肉の中に隠れています。レントゲン写真からもわかるように、周りの骨も歯のすぐ直下に位置しています。
従って、Altered Passive Eruption(受動的萌出不全)と診断しました。
この場合の治療法はクラウンレングス(歯冠延長術)が適応になります。
この症例では、矯正をして歯の隙間を均等にした後に歯冠延長術で歯茎の位置を修正し、ベニアで修復することになりました。

クラウンレングス二ング(歯冠延長術)

矯正終了後、模型上で理想的な歯冠形態をつくります。

理想的な歯の形態から歯茎の位置を設定します。

歯茎に埋もれていた部分を外科的に萌出しました。

左:理想的な歯の形態から歯茎の位置を設定します。
右:歯茎に埋もれていた部分を外科的に萌出しました。