こんにちは。表参道・青山にある歯科石上医院です。

被せ物・差し歯(クラウン)には、いろいろな材料があります。
例えば、金合金、セラミック、レジンなどでしょうか。
金合金は昔から使用されているマテリアルで、多く論文でその長期的予後はお墨付きです。もちろん、適合のよい修復物を装着していることが前提です。金は金箔がある様に、かなり薄く加工することができます。従って、歯の削合・形態修正→型取り→模型制作→修復物の制作の一連の過程をエラーなく進めれば、適合の優れた物が制作可能です。また、金は硬さがエナメル質に近似していますので、ブラキサーや咬合力が強い人に推奨されています。エナメル質と同じ様に適度に摩耗していくことが可能です。保険で使用されている金銀パラジウムや銀合金は、私の経験上、金と同じ様に精度を追求して加工することが難しく、装着前の調整時に薄いところは折れてしまう様なこともありました。
金合金にも実は含有量によって、20K、18K、16K、14Kなど種類があります。時々、患者様からも質問を受けます。結論から言うと、含有量が多い方がいいでしょう。なぜなら、金が少なくなるということは含有されている他の非金属などが増えることになりますので、化学的安定性が損なわれるかもしれません。また、硬さが硬くなり加工性に影響が出たり、天然歯に類似した摩耗性もなくなるかもしれません。多くの長期的研究のの場合、特にアメリカの報告では20Kを使用していることが多いと推測されますので、その観点からも昔から使用されている20Kが安心です。私の留学していた南カリフォルニア大学でも20Kを使用しておりました。しかし、近年金の価格が高騰しておりますので、費用がネックになってしまいます。そこで、審美性も優れたジルコニアなどのセラミックが台頭してきたわけです。
セラミックに関して、特にジルコニアなどは金合金ほど歴史は長くないですが、中期的な研究で予後がよく、問題なくお口の中で機能できることが分かりました。また、ジルコニアはその優れた審美性、機械的性質および生体親和性から、近年材料の第一選択肢になってきました。当院では、金合金を使用することも多いですが、ジルコニアで製作した表面にセラミックを貼り付けたクラウンを使用することも多いです。天然歯を摩耗しにくいジルコニアを対合歯と接触する咬合面に使用し、人の目に入る表側はより色のコントロールをしやすいセラミック(e.max)を使用したデザインです。上の写真も同じものです。
二酸化ケイ素などを主成分としたe.maxも使用しますが、歯の状態によって使い分けています。どういうロジックで使い分けるか、ここは米国補綴専門医としての腕の見せ所でしょうか。。。当院では修復物の材料を決める時は、しっかりそれぞれの利点欠点をご説明し処置を進めております。それぞれの方の状況に合った材料を選択していただきたいので、松竹梅などの料金設定はしておりません。セラミックなどは、あまり材料費自体に大きな差はありませんので、修復物のデザインで値段が変わるようになっております。
最後にレジンのクラウンですが、保険で使用されることが多いでしょう。当院では、ブラキサーの患者様に部分的修復でレジンを使用した修復物を使用することもありますが、クラウンを製作するマテリアルとして使用することはほとんどありません。機械的性質や耐久性に不安があるからです。また、経年的劣化による変色も問題になります。
詰め物や差し歯など修復物でお困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。寒くなってきました。ご自愛ください。
